Redmineチュートリアル その1 Debianで動かしてみる

このページは古いです。lenny向けはこちらです。

ある日

バグトラッキングシステムにTracを使っている利用者がこう言うんです。

「フローを変更したいんだけど」

「アクセス権をつけたいんだけど」

「プロジェクトを複数にできないの?」

うーん、パッチをあてたりとかが必要で、すぐにできないんだよなあ、Trac Lightningに入れ直してもいいんだけど…いやさ、だいたいコンパクトに作られてるんだから、割り切って使ってほしいんだ。とかなんとか、愚痴っても仕方ない。じゃあRedmineでも使ってみる? 過去のデータはコンバートできて、使い勝手もそう変わらないから、まあそのくらいはOKしてよ。

ということでRedmineを使い始めました。諸々の要望はRedmineの機能でカバーできて、満足してもらってるみたいです。

Redmineの特徴

  • Tracを意識して作られたようで、UIが似ています
  • 日本語のUIがサポートされていますです
  • フレームワークはRuby on Railsです
  • DBはSQLite MySQL PostgreSQLとか使えます
  • なのでTracよりはいじりやすいかもです
  • 前述の通りTracからデータを引き継げます

参照サイト

インストール環境

Debian GNU/Linux 4.0(etch)を使いました。主なdebパッケージはpostgresql8.1、 apache2.2、ruby1.8で、肝心のRedmineは0.73です。これらのサーバは全部一つのサーバで動かすようにします。

DBはSQLiteではなくPostgreSQLを選択しました。SQLiteはあえて避けました。Tracを使っているとSQLiteのバージョンの違いによってアップデート作業に一手間かかることがあったり、etchではパッケージがないこともありますので、PostgreSQLかMySQLの方が無難にインストールできると思います。SQLite以外のDBはみなさん自身が慣れているものを選べばいいでしょう。

最初にWebrickで動くことを確認します。そこで問題ないようなら、Apache2.2との連携をするようにします。apache2.2と連携させるのは、既存のウェブサーバのコンテンツとSubversionにあわせるためです。が、今日のところはWebrickで動かすところまでです。Redmineをいじってみたいだけの場合には、これで十分です。

インストール

postgresqlとapache2.2をインストールします。

# apt-get install postgresql-8.1 apache2.2

postgresqlを設定します。

# cat <<EOD >> /etc/postgresql/8.1/main/pg_hba.conf
host    redmine     redmine     127.0.0.1/32          password
EOD
# /etc/init.d/postgresql-8.1 restart
# su - postgres
$ createuser -P  redmine
Enter password for new role: (パスワードを入力します)
Enter it again: (パスワードを入力します)
Shall the new role be a superuser? (y/n) n
Shall the new role be allowed to create databases? (y/n) y
Shall the new role be allowed to create more new roles? (y/n) n
CREATE ROLE
$ createdb -E UTF-8 redmine -U redmine -W -h localhost
$ logout

redmine用のアカウントとアクセス権を設定し、DBを作成しました。

rubyとそのライブラリをインストールします(実際は下記の大部分が入っていると思います)。

# apt-get install libdbd-pg-ruby libdbd-pg-ruby1.8 libdbi-ruby \
 libdbi-ruby1.8 libgems-ruby1.8  libopenssl-ruby1.8 libpgsql-ruby1.8 \
 libreadline-ruby1.8 libruby1.8 ruby1.8 ruby1.8-dev rubygems

railsをインストールします。ここからはdebパッケージは使いません。debパッケージでもいくつか提供されているものもありますが、railsの世界は動きが早いのでdebパッケージではなく最新版の方が無難のようです。

# gem install rails

このコマンド一つで必要なパッケージもダウンロード & インストールします。下記はその結果ダウンロードされたものです。

actionmailer-2.1.0
actionpack-2.1.0
activerecord-2.1.0
activeresource-2.1.0
activesupport-2.1.0
fastthread-1.0.1
rack-0.3.0
rails-2.1.0
rake-0.8.1

redmineを設定します。

mkdir redmine && cd redmine
$ wget http://rubyforge.org/frs/download.php/39477/redmine-0.7.3.tar.gz
$ tar zxvf redmine-0.7.3.tar.gz
$ cd redmine-0.7.3
$ cat cat <<EOD >> config/database.yml
production:
  adapter: postgresql
  database: redmine
  host: localhost
  username: redmine
  password: "redmine_password"
EOD

※DB設定例としてconfig/database.yml.exampleがあります。

$ rake db:migrate RAILS_ENV=production
$ rake load_default_data RAILS_ENV=production

2つ目のrake実行で言語を聞いてきますので”ja”と入力します。

メールサーバの設定をします。

60から62はsmtp-authの設定です。不要ならコメントアウトします。

 $ vi config/environment.rb
 56     config.action_mailer.smtp_settings = {
 57         :address => "127.0.0.1",
 58         :port => 25,
 59         :domain => "example.com,
 60         :authentication => :login,         
 61         :user_name => "redmine@somenet.foo",
 62         :password => "redmine",             
 63     }

0.73ではPDFの出力時に文字化けが発生しますので、設定をいじります。

$ vi lang/ja.yml

 53 general_pdf_encoding: UTF-8
 これを
 53 general_pdf_encoding: SJIS
 にします。

設定は以上です。

WEBRickで動かす

WEBRickはruby1.8をインストールしていれば普通に動くそうです。

$ ruby script/server -e production

あとはブラウザからアクセスしてみます。

 http://[サーバのIPアドレス]:3000/

ログイン画面では下記のアカウントで入ります。

 アカウント名: admin
 パスワード : admin