有名どころのアプリをiOS版とAndroid版にどんな違いがあるかいじってみたってネタです。
確認したバージョン情報は下記の通りです。
iOS版 v5.8.0
Android版 v4.7.3
一目瞭然なのですが、Android版はナビゲーションドロワー(左からスライドしてくるメニュー)があり、iOS版はそれがなく画面下部のツールバーが基点になっています。
それに加えて構成の基本単位も異なります。とりあえず図にしてみました。
先に説明します。iOSツールバーとAndoridの「イラスト」「小説」の下部に「新着」があります。これは利用者がフォローしているユーザーについての新着です。フォローがないと中身は表示されません。
Androidの「小説」の下部と「しおり」、iOS版の「マイページ」の下部にある「しおり」が「ブックマーク」と意味的にかぶっているのですが、「ブックマーク」が作品そのものへのマークなのに対して「しおり」は小説のページに割りあてるものです。
Android版で注目したいのはナビゲーションドロワーの1つ目と2つ目が「イラスト」「小説」になっていることです。利用者の行動について、イラストか小説のどちらかのメディアを選択して、その後にランキングや新着で関心のある情報(作品)を探索していくという意識の流れを作っています。図では省略していますが、検索についても同様で、「イラスト」「小説」を選択してから、キーワードを入力するかタグを選択するようになっています。「ブックマーク」もそれと同じ位置付けと考えられます。
iOSについてはそれが逆で、最初に「ランキング」表示や「検索」といった行動を選択し、その後にイラストか小説かを検索条件で切り替えられるようにしています。当然ながら切り替え設定は持ち越されず、それぞれの行動画面上で個別に保存されます。
先に行動を選択するという構成で「おすすめ」「検索」「マイページ」もあります。
わたしの使い方では、最初にイラストを見たいと考えてランキングや検索などを探索します。存分に見たら次に小説を見て回ります。おそらくAndroid版が想定している使い方です。
この使い方でiOS版を使おうとすると、それぞれの行動画面で「イラスト」「小説」の切り替えが発生するので煩わしくなります。これが、もし「艦これ」など特定作品でイラスト小説それぞれを検索したいという使い方だとわずらしいどころか切り替えが簡単にできて便利です。
このあたりは使い方のスタイルによって評価が分かれそうです。イラストと小説のそれぞれを利用するユーザー層はどのくらいの割合なのか気になります。推測ですがあまり作品のジャンルをこだわらないが上手なイラストを見るとか、有名イラストレーターをフォローして作品を見るとか、特定ジャンルのイラストを見るといった使い方が多いような気がします。「おすすめ」ではイラスト系のみ表示されてますし。そういう条件だとiOS版の構成はわかりやすいと思います。
もう一つ大きな違いがあるのが「おすすめ」です。
内容はpixivのウェブサイトのトップページに相当します。特集記事の紹介と人気のあるイラストとそのタグを掲載します。Android版はイラストの表示を最初にしています。そういうこともあって「イラスト」メニューで最初に表示される位置づけになっています。iOS版はそれよりも広告に力点がおかれている印象です。最初に表示されるのは特集記事の画像で、しかもアニメーションスライドでかなり目立ちます。その後に人気のイラストを表示して、プレミアムサービスに加入している人だけが見られる話題のタグを人気順で表示するページへのリンクです。
検索についてはOSによる違いはほとんどありません。
「小説」「イラスト」の切り替えと、入力したキーワードについてのタグ、タイトル、ユーザー検索、それから検索履歴が表示されます。このインターフェースはとてもわかりやすく使いやすいです。完成された出来栄えです。
タグの検索結果ではiOS版だと人気順のタブが真ん中の目立つ位置にあります。プレミアム登録していない利用者への広告の比重がAndroid版より高くなっています。
マイページは利用者やフォローユーザー、ブックマークの一覧が表示されます。
iOS版では「しおり」もここに表示されます。ちょっと深い場所にあるので、閲覧の再開を目的とした場所としては不向きに感じます。Android版では「小説」メニューの下部という好位置にあるのと比べるとiOSでは重要視されていないようです。
Andoroidの「フィード」はiOS版にはありません。内容は「最新」と同じでデザインが違うだけのようです。実のところAndroid版はとっちらかったような印象があります。その理由の一つがこれです。機能的にあまり違いはないのがなぜあるのか……。
Androidのナビゲーションドロワーから表示される各画面には上部にタブがあって表示内容を切り替えます。「イラスト」の場合には「ランキング」「オススメ」「新着」となります。このタブつき一覧ページは、各画面と検索結果をあわせて7種類あります。ちらかった印象の理由のもう一つです。よく似た画面が7種類もあって、タブがそれぞれ違います。このため乱雑な印象を受けました。
Androidのナビゲーションドロワーには「pixivプレミアム」の登録を促すリンクがあります。これ自体は目立つのですが、iOS版は代わりに検索結果とおすすめでの広告の優先度がかなり高くなっています。Android版の方が利用者に許容されやすいと思われます。
かなり違いがありましたが、iOS版もAndroid版もどちらも設計にそれなりの理由や裏付けがありそうです。今後のメジャーバージョンアップでどうなるか興味あります。